感染爆発は問題ではない。課題は何か? 防疫体制(1/3)

 

 感染爆発は一つの現象である。感染爆発はいわば大火事である。火事であれば、火を消せばよい。それよりも、なぜ大火事になったか、なぜそれが起きたか、なぜ延焼(感染爆発)になったのかの真因を究明せず、政府が対処療法に終始する姿勢が、問題である。

 先の太平洋戦争で、なぜ米国に負けたかの解明と対策ができておらず、この70年間、政府は同じような間違いを繰り返している。それが問題である。

 

大本営は間違いを認めず

 頭がいい人(有名大学出のエリート)は、自分の間違いを決して認めない。菅総理は、8月22日投票の横浜市長選で、自分が押した候補がなぜ大敗したかが理解できないという。大垣市の前市長も同じであった。彼はなぜ大垣市が没落したかが理解できなかった。だから正しい対策が打てなかった。だから菅総理では、コロナ戦争は戦えない。

 

あるべき姿(あるべき姿との乖離が課題

 今の日本のあるべき姿は、未知の疫病菌を水際でくい止めて、国内に感染爆発が起きない体制をつくること。感染者が出ても、速やかに治療できる医療体制を整備する。これと現状との乖離をなくすことが課題である。

 あるべき姿は、火事(感染爆発)を速く消す体制作りではなく、火事が起きない体制を作る。それと現状との乖離が課題である。これが現代の日本には出来ていなかった。なぜそれが出来なかったかを解明しないと、何時まで経っても同じ問題を起こす。

 

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感染爆発は誰の問題か?

 それは国の問題である。国の為政者の仕事は、国民の命を守ることだ。防疫の不備は、為政者が治水で国を守らないと同じである。防疫は、日本政府の問題である。

 

防災への投資削減のツケ

 10年前の民主党政権は、コンクリートから人へ投資と妄言を吐いて、防災投資を削減した。そのためダムができず、10年後に各所で大洪水の被害が続出している。

 今の新型コロナ感染爆発になったのは、疫病への衛生戦争に対して正しい体制作り(人モノ金の投資)を疎かにしたのが敗戦の原因である。今は保身前例至上主義の官僚が撒いた無為無策のツケを国民が払わされている。

 コロナ感染爆発で、緊急事態宣言だけで、政府がやるべきこと(真因解明と対策)をやらず、対処療法だけをして、国民に不自由だけを押し付けるから、何時まで経っても問題が解決しない。

 

治水と防疫

 防疫で国民を守らない為政者は、治水を疎かにした政治家と同じである。「治菌」で、国民の命を守らないと、今回の新型コロナ感染爆発のように国民を疫病で死に追いやる。だから衛生管理、衛生防衛が大事なのだ。現在の日本はそれが疎かになっている。そのツケが今回の新型コロナ感染爆発で明らかになった。政府がやるべき防疫をやっていなかったのだ。なぜ戦前はあった「防疫庁」がないのか。なぜやれなかったかを解明しないと、また問題を起こす。

 

連戦連敗

 今回のコロナ戦争は、治菌敗戦、防疫水際作戦敗戦、GoToトラベル敗戦、GoToイート敗戦、空襲警報発令敗戦(非常事態宣言の乱発)、言うだけ番長敗戦(政府高官が会食ばかりで自粛を破る)、ワクチン開発敗戦、ワクチン入手敗戦、ワクチン一本やり敗戦、医療体制崩壊敗戦、オリンピック強引開催での支持率低下敗戦、…. これは政治の敗戦である。

 

2021-08-22   久志能幾研究所通信 2129  小田泰仙

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