私は今でもテストドライバーのつもりで、運転中は音楽やラジオ番組を聞かない。私は指導教官からの30年前の教えを今でも守っている。
なぜなら運転中は五感を研ぎ澄ませ、僅かな音の変化で、車の状態、回りの状態を察知することが、テストドライバーとしてとしては試験車を運転時に必要なのだ。身の危険をタイヤ音、エンジン音、風邪切音で察知しなければならないからだ。
私が知人に車を乗せてもらう時、殆どの人がラジオ番組や音楽を流している。私にとって、運転しながらの音楽鑑賞はご法度である。なにせ車を運転するとは、この世で一番大事な命を運んでいることだから。
私がタクシーを利用する時も、運転手がラジオか音楽をかけていると、不愉快になる。
外科医は手術中に携帯電話にも出ないし、音楽も聴かない。なにせ人の命を手術しているのだから。車の運転も同じである。
オーディオマニア
レクサスLSには高級オーディオが装備されている。私がレクサスLSを運転した時も、高級オーディオには一度もスイッチを入れなかった。結局、レクサスLSを所有した2年間、オーディオの電源を一度も入れず、レクサスLSを手放した。だからその高級オーディオの音が良かったどうかは分からない。
私はオーディオに疎いのではなく、車内で音楽を聴くのは邪道であるという意見である。私はオーディオマニアである。だから自宅では超高価なオーディオ装置で音楽を聴いている。優に新車のクラウンが買えるほど高価なオーディオシステムである。
無事
人生道では、魅力的な音が満ちている。般若心経でいう「音」とは、此の世の誘惑である。それに気を取られて身を滅ぼした人も多い。人生道を走る時は、回りの誘惑を排して、目的に向かって邁進すべし。交通事故を起こさず、無事に走ることが最大の運転テクニックである。
2021-04-16 久志能幾研究所通信 1991 小田泰仙
著作権の関係で、無断引用を禁止します。