自宅に写経専用室を作ろうと決断した。馬場恵峰先生の49日の法要に参列し、その帰路に思いついた。G線上のアリア(環境)での発想である。馬場恵峰先生は生前、1万五千字以上の写経をされた。
写経室の新設を決断
経典とは人間の生き方の指針を示してくれる言葉が溢れている。しかし人間の脳は、忘れることができる仕組みになっている。いくら大事なことを覚えても、何時かは忘れてしまう。だから繰り返し、目で見て思い出す必要がある。そのため、経典を10遍読むより、1回写経をすればよく頭に入る。
静かな清楚な部屋で、写経をして人生に思いを馳せれば、残された時間を有意に考えることが出来ると思い、写経室を作る決断をした。(もう残された時間は38年しかないのだ??)
またその部屋で書道の勉強もできる。今まで書道の勉強をしようとは思っていたが、なかなかできなかった。恵峰先生が亡くなられて、遅かりしだが、恵峰先生のお手本は沢山あるので、自習を始める決断をした。
写経の目的
恵峰先生は、写経の目的はご先祖の供養で、写経が一番の供養だと言われた。ご先祖にあの世で仏道に精進してくださいと書くのが写経である。佛になるための指針がお経に書かれている。
何時かは己も寂滅してご先祖になる身である。今回、馬場恵峰先師の導師である鏡圓寺の和尚さんがお経の意味を解説された。それを聞いて、まず自分がこの世で佛になる修行を積まねばならぬと悟った。その指針が経典に書かれている。だから写経するのは、自分のためでもある。
人は佛のような純真な心の赤子で生まれ、俗世間の荒波を受け、汚れた心になって還暦を迎える。その汚れた心を写経で洗い流し、あの世に旅立つ。生老病死が人間の一生である。
写経専用室の準備
2021年3月2日、山路先生に相談したら、よいトチの板があるとのことで見せてもらった。それで写経机を作ることを決めた。机の完成は2週間後である。それが搬入されれば、写経専用室の完成である。
2021-03-02 久志能幾研究所通信 1936 小田泰仙
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