文章を考えるのに適した場所としての欧陽修は「三上」を揚げている。その中でも、私は電車のグリーン車の線路上が最高であると思う。
欧陽修は、中国の政治家・学者である。彼が友人の謝希深に語り、『帰田録』に書いた言葉が「三上」で、「三上」とは馬上・枕上・厠上(便所)のことである。この欧陽修は唐宋八大家の1人である。
馬場恵峰先生の49日
2021年2月27日は、馬場恵峰先生の49日である。2月27日に九州からの帰り電車は、コロナ禍の影響で電車はがら空きである。諫早から博多までの在来線特急「かもめ」は、乗客が私一人で、貸し切り状態であった。往路もほぼ同じ状態であった。山陽新幹線でもほぼ同じ状態であった。
昔は馬の上が揺られながら考えるのが最高の環境であったが、現代はグリーン車の線路の上(G線上)で、ガタガタと揺られながら、考えるのが最高の環境である。グリーン車の1両を貸し切りで、ゆったりとした席で思考を練り、文書を作るには最高の環境(アリア(aria)は、イタリア語で、音楽の節・旋律を意味し、ほかに「空気」や「態度」の意味もある)である。
枕の上で考えではダメである。寝るときは真剣に寝ないと睡眠不足になる。良い考えも、目が覚めると思い出せないことが多い。また横になって考えることに、ロクなことはない。ゲーテもベッドの思考を禁止という。
厠上(便所)でも、現代は長時間のトイレは禁止である。トイレ時間が長いとは便秘であり、食生活が健康的ではない証しである。そもそも健康な動物は、排泄の行為は一瞬である。そうしないと排泄は無防備な状態で、敵に襲われる危険があるからだ。
動く書斎
特急列車のグリーン車券は、わずかプラス1600円を払えば、グリーン車が1時間40分間、貸し切りになり、マスクもせず(乗客は一人だから)、車中で考え、本を読み、文書を作ることができるのだ。動く書斎を借りたと思えば安いものである。G線上のアリアの時間は値千金である。
博多・諫早間の自由席特急券は 1,250円
指定席券が 1,780円
グリーン車券が 2,850円である。
考えない人生は、野獣の人生だと思う。人間である限り、考えて人生を歩みたい。
2021年1月3日、8:57 山陽新幹線 のぞみグリーン車
馬場恵峰先生の葬儀に行く途中
2021年2月27日、16:37 特急「かもめ」
2021-02-28 久志能幾研究所通信 1934 小田泰仙
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