私が母の胎内に宿ったとき、まだまだ日本は敗戦の影響で食糧事情が厳しかった。特に町家に嫁いだ母は、食糧事情には苦労したようだ。母が私を妊娠しても、当時の町の家では、姑から十分に食べさせてもらえなかったと母は嘆いていた。食い物に関する嫁姑戦争で、当時の世相の厳しい実態である。それで母は実家に帰り、里帰り出産をした。幸い、母の実家は農家であった。
当時は、町の人が着物や骨董品を農家に持ち込んで、米と交換してもらっていたと、母は当時の話をよくしてくれた。今の飽食の生活からは想像できない状況である。
当時の世相
山口良忠とは、日本の裁判官である。法を守って餓死した裁判官として有名である。
太平洋戦争の終戦後の食糧難の時代に、彼は闇市の闇米を拒否して食糧管理法に沿った配給食糧のみを食べ続け、栄養失調で1947年に33歳で餓死した。
当時の裁判官の地位は非常に低く、ヤミ物資を買うにも十分な給与があるとは言い難く、複数の裁判官が栄養失調に苦しんでいる状態であり、過労や結核に栄養不足が加わって死ぬ者も少なくなく、裁判官の給料では到底食えぬとして、弁護士に転職する者が非常に多く、個々の裁判官の負担をますます重いものとしていた。
この項、wikipedia 「山口良忠」より編集 2022/8/26
戦利品
母は、その嫁姑戦争に勝利して、妊娠時に実家でシッカリ食べたので、私は丈夫な体と骨、歯を授かった。私が歯科医院に行っても、歯を削る際、人よりも私の歯は硬いとよく褒めてもらえる。仲間の中には、母が妊娠時に十分な栄養を取らなかったので、歯がぼろぼろだと嘆いている人もいる。そんな厳しい食糧事情の中で、丈夫な歯を授けて生んでくれた母に感謝である。そのお陰で、現在の歯の欠損は1本だけで済んでいる。
太平洋戦争の敗因、食糧は武器
戦争になって、カネがあっても食料が無ければ、戦いに負ける。太平洋戦争での日本軍の死者の内、その60%の140万人は餓死である。インパール作戦の敗因も補給路を断たれて、多くの日本兵が餓死をした。私の祖母への戦死通告では、叔父は戦病死となっているが、多分、私の叔父も餓死であろう。
学校のぺーパー試験だけ成績の良かった軍部のエリートが、頭だけの作戦を立てて、補給を考えなかった結果である。
その仕組みは、現代の高級官僚が仕切る姿と同じである。
食料自給率40%が敗因となる
今の日本の食料政策が間違っている。農業は外国に頼んで、工業製品で稼げばよいとの安易な考えは、間違いで、敵に洗脳された結果である。敵国は、その作戦で食料の輸出を止めれば、日本に勝てるのだ。食料とは戦略物資である。それが今なないがしろにされている。先進諸国は食料の自給率を100パーセント以上にしている。
オイルショックに反省せず
1973年のオイルショックでは、カネがあっても石油が無ければ、日本は干上がってしまう状態になった。同じことが食料でも起きる。今はその準備が全くされていない。だから今、食料自給率が40パーセントを切っている。そんな愚かな政策を続ける先進国は他にない。
ウクライナ戦争で、小麦が入ってこず、ロシアからの液化ガスの輸入が止まれば、広島の電気が止まる。食料、石油、液化ガス、石炭等、全て戦略物資である。もっと世界の危機状況を観察しよう。ウクライナ戦争を良く見よう。食料自給率向上こそ、国を守る危機管理である。敵国が日本と戦争になれば、日本に食料を輸出するはずがない。
私が日本の敵国の軍大臣なら、即日本への食料の輸出を止める。
日本はもって農業を大事にしよう。
敵に武器を贈る
先日のニュースで、政府開発援助機構(ODA)が中国への援助を来年から止める検討をしている、という報道で高級官僚の堕落ぶりを思い知った。中国はそのカネで日本を攻めるための軍備を増強して、尖閣諸島、沖縄を攻める準備をしている。連日領海、領空侵犯を繰り返している。それなのにその敵に武器を贈るさまは日本政府の愚かさを世界に晒している。これでは政府高官は、敵の回し者である。これは媚中派議員に投票している有権者の責任だ。媚中派のテレビに洗脳されて、政治的に痴呆になっているとしか言えない。早く目を覚まさないと餓死である。
媚中派の内閣は潰さないと、日本が危ない。平和ボケを正さないと大変な事になる。
2022-08-26 久志能幾研究所通信 2473 小田泰仙
「久志能」↖ で検索
著作権の関係で、無断引用を禁止します。