2022年7月17日、本巣市のカフェ&レストラン「コルマール」で演奏会があり、久しぶりにソニーα9を担いで撮影に出かけた。ところが電源を入れたら、日時設定や、他の撮影設定のメモリも消えていた。慌ててその設定を再設定した。しかし私も2年ぶりで、暗い会場で動きのある被写体を撮影するための詳細な設定を忘れてしまっており、再設定で苦労をする羽目になった。高性能なカメラはその設定項目が多く、詳細で面倒である。細かく設定しないと、普通のカメラより劣る。
どんな高性能のカメラでも、どんなハイスペックなお方でも認知症になれば脳死である。
ハイスペック
ソニーα9は、ミラーレスの無音シャッター機で、高感度撮影が可能なカメラである。私が演奏会用の撮影に使っているカメラである。特に暗い舞台の上で、動きの激しいバレエの撮影でも、撮影が可能である。普通のカメラではピンボケやノイズ過多、暗部の表現が潰れて、まともに撮れない。
高性能だからボディ価格だけで50万円であり、レンズを含めると総額100万円にもなる。高いものには、高いだけのワケがある。
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認知症
使わない機能は退化する。認知症になると、医師から症状の確認のため「今日は何日ですか?」と問われるが、それと同じことが、ソニーα9に起きてしまったのだ。カメラが年日時を忘れたのだ。撮影設定メモリが消えたのだ。新型コロナウイルス騒動で演奏会の撮影が、この2年間なかったのでソニーα9の出番がなく、バッテリーが上がってしまったことで起きた事件である。カメラだって認知症になるのだ。
伊勢神宮の式年遷宮でも、その伝統技術の継承のため、すべての道具や社をつくり直す。良き伝統で、先人の智慧である。そう、使わない機能は退化するのだ。それを防ぐには、定期的に使わねばならぬ。頭も使わないから、認知症になってしまう。現在、65歳以上の15%は認知症である。これからも増加の一途である。何もせず、のほほんと暮らすから認知症になる。
高齢化社会
これからの高齢化社会では、がんになるか、認知症になるか、それが人生の危機である。がんは男性で65%、女性で50%の罹患確率である。
厚生労働省の発表では、認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推計値が発表されている。65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となる。
私が調べて分かったことは、がんになる人は認知症にはならない。がんにならない人が認知症になる、である。つまり何の気配りもせず、ノー天気に生きてきた人は認知症になり、気配りをして生きてきた人はストレス過多から癌になる。
貴方は何方を選択しますか?
日経ビジネス 2014年 7月 9日号
2022-07-18 久志能幾研究所通信 2436号 小田泰仙
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