仕事の疲れは仕事で取ろう (磨墨知147)

 

 全力で仕事をしていると楽しくなる。結果として密度の高い仕事になる。

 その仕事も質の違う仕事と組み合わせると、無駄なく時間が使える。肉体労働には休息が必要だが、頭脳労働の疲れは、別の頭脳労働をすることで取れる。頭脳では新しいことに興味を起こす物質が分泌される。

 遊びはやり過ぎると、嫌になってくる。なにか虚しい気持ちにもなる。それはやったことに対する成果がないからだ。それに対して仕事はやればやるほど面白くなってくる。その成果が見えるからだ。だから、趣味で将棋がいくら好きでも、3日も将棋ばかりやっていれば嫌になる。将棋が仕事のプロなら、話しは別である。

 

爆睡・永眠

 仕事に全力で取り組めば、夜は心地よい疲労感でバタンキューである。全力でやった仕事の疲れが、バタンキューの爆睡を誘う。それで仕事の疲れが取れる。いやいや仕事をやっていると、精神的な疲れが残り、夜に神経が高ぶり、寝られない。

 

 よく働いた一日は、安らかな眠りを誘う。

 よく働いた会社人生は、充実した林住期を恵まれる。

 

 「林住期」とは、「働きづめに働いてきた人間が、ようやく自分のやりたいことが出来るようになった時期」である。

 ちなみに人生を4つのステージに分けることを「四住期」という。これは古代インドの思想である。第一期は修行の「学生期」、第二期は家庭の主人になる「家住期」、第三期が「林住期」、第四期は一切の世間的な欲を捨て、世の中で困っている人の魂を救う「遊行期」である。この4つのステージを全て辿って死んでいく生き方こそ最も理想的だと紀元前のインド人は考えた。

 

 よく働いた一生は、安らかな永眠を賜わう。

 

 人間が長寿で死ぬのは、枯れ木が倒れるように自然である。死の恐怖も苦しみも少ない。ところが、若くして死ぬとは、生木を裂くようなもので、塗炭の苦しみを味わう。だからこそ健康に留意して長生きすべし。 

 馬場恵峰師は93歳と8ヶ月まで「生涯現役、一路挑戦、一生青春」を座右の銘として働かれた。最後は1か月程寝込まれたが、多くの弟子が見舞いに来て最後の別れをした。恵峰先生は家族に見守られて、2021年1月1日に静かに息を引き取られた。穏やかな最期であった。

 

生涯無休

 私の座右の銘は「生涯無休24H対応」である。名刺にもそう記載している。だから何時仕事の電話をかけてもらっても構わない。深夜で私が電話に出られないときも、秘書の留守電?が対応します。

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  馬場恵峰書

 2021-03-10 久志能幾研究所通信 1944 小田泰仙

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