2016年晩秋、馬場恵峰先生が卒寿記念として波佐見町で写経展を開催した。その時、感想で下記の漢詩を作られた。
私は漢詩の作成練習として、それを元に次に漢詩を作ってみた。生まれて初めての漢詩作品であるが、ベースがあると意外と簡単で、漢詩の創作は面白いことを発見した。漢字辞典をめくり、漢字の語源や意味を調べるのは楽しい知的な遊びである。
九十壽記念写経展終感
競書展盛写経静
寂生入滅実在星
従容弄書冊静泰
随寓而安完余生
2016年晩秋17日恵峰詩
読み下し
競書展盛んなり。写経展静なり。
(技を競う書道展は盛んである。
それに比較して写経書道展は静かである。)
寂なり生入滅は実在、星なり。
従容として弄し書冊を静泰す。
随寓(気ままな自宅で)而して安じて余生を完す。
最近の食の乱れを見て作る。
狂食界盛正食静
癌死与惨正死清
従容弄正活静泰
随寓而安完余生
2020年1月20日夜 泰仙作詞
読み下し
狂食の界は盛なり。正食は静なり。
癌死は惨を与え、正死は清なり。
(老衰日本人の半分が癌になる。癌死は日産である。老衰死、ポックリ死は正しく清らかな死である。老衰死は理想である。しかし日本人は、癌死が50%、認知症が25%、老衰死は3%、ぽっくり死は1%である。)
従容として弄して正活(正しい生活)は静泰なり。
随寓、而して余生を完うして安んずる。
漢詩の作法
漢詩の作詞法則として、1,2,4行目の最後の漢字に韻を踏む。恵峰先生の詩では「静、星、生」の3文字である。私の試行漢詩では「静、清、生」である。3行目の最後の漢字は韻を踏まない。
各行の最初の2文字が主語で、真ん中が動詞、もしくはその行の形容句である。最後の2文字が目的語である。
2020-01-20 久志能幾研究所通信 1456 小田泰仙
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