磨墨智6. アウシュビッツから生還しよう

 生きる目的を持った者だけが、アウシュビッツやシベリアで生き延びた。生き延びるとは消滅寸前の時間の炎を復活すること。どんな状況下でも、希望を捨てず、生き延びるべき。

 

父のシベリア抑留

 私の父も地獄のシベリア抑留から生き延びて帰国した。それで今の私の生がある。零下30度の極寒労働地、極貧の食事、劣悪な極酷の労働条件。朝,目を覚ますと若い戦友が隣のベッドで冷たくなっている。半分の戦友がシベリアの土に消えた。アウシュビッツでは、死亡率95%。1945年のシベリア抑留開始の初期にはロシア側の準備不足で、死亡率は80%。10万人の邦人がシベリアの土になった。しかしその極限条件下でも生き延びた人達がいる。

 

ヴィクトル・E・フランクルの行動

 下記はナチス強制収容所から生還し、その体験を記した『夜と霧』の著者(心理学者)、ヴィクトル・E・フランクルがとった行動。

 

◇ 働ける体であるように見せる

    働ける状態でなければ、自動的にガス室行きである。だから常に若く見えるように、立ったり歩いたりする時は背筋をピッと延ばしていた。若く見えるように髭を毎日剃った。最後のパン一切れを人に与えても、ガラスの破片で髭を剃ってもらった。病気にならない。病人になれば、自動的にガス室行き。

◇ 常に未来を信じる

   近い将来、講演会で自分が演説している姿を思い浮かべた。

◇ 収容所での苦しみは意味があると認識

    無意味だとすると生きることの価値が無くなる

◇ 愛する人との魂での会話

◇ 感動を失わない

     沈みゆく太陽の夕焼けの風景に感動

◇ ユーモアを失わない

     自分を見失わない魂の武器

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会社が経営危機の時、リストラ対象になるのはどんな人?

リストラされると今の経済状態では再就職は至難の技。年間3万人の自殺者

 

生きるとはつまり、(生きる義務を引き受ける行為)

 ・生きることへの問いに正しく答える義務

  ・生きることが各人に課す課題を果たす義務

  ・時々刻々の要請を充たす義務

苦しむとは何かをなしとげること

「夜と霧」ヴィクトル・E・フランクルより

 

私とシベリア

 父もシベリア抑留から生還できたから、今の私の命がある。父の弟はシベリアの土になった。その子は父の顔をしらない。

Photo_3 父の遺品の慰労状

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恒久平和乃碑(大垣公園内)

1991年建立、父もダモイ会に入会していた

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濃尾護国神社前の碑(大垣公園内)

 国を護るために命を捧げた英霊を忘れてはならない。

 そして今の我々の命がある。

 

 

2019-02-28  久志能幾研究所 小田泰仙

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