50m巻物「静楽養愚詩文録」編集後記

 河村義子先生の逝去に出会って、延び延びになっていた馬場恵峰先生の巻物の出版の準備が完了して、201928日、印刷会社に試し刷りの原稿を送った。下記はその編集後記である。

 本巻物では、馬場恵峰先生の生き様と歴史、およびその時に心情が50mの巻物に書かれている。3月初旬に出版予定です。

 

編集後記

20181225日、突然にピアニスト河村義子先生の訃報に接した。享年61歳で若すぎる死である。河村先生は、5年前の検査で病巣が見つかったが、手術をすると多くの生活の機能が失われるとのことで、最後までピアニストとして生きたいとして、その手術を止めて対処療法の選択をされ、病魔と闘いながら、この5年を全力で生きられた。私は5年前からのお付き合いであるが、それに気が付かなかったが、結果として先生の最後の仕事のお手伝いをするご縁を頂けたことを嬉しく思う。寿命は運命に多く影響されている。河村先生が、その運命を受け入れて、人間としての尊厳を保って、最期まで全力で生きられた後姿を、先生の最後のレッスンとして学んだ。

今の私の生あるは、時と場所と親を選ばず生まれたが、多くの因縁で多くご先祖と多くの出会うべき師との縁があり、今の私がある。決して偶然ではないと感じている。

河村先生の生きざまに感動しながら、それを馬場恵峰先生の生きざまにダブらせている。現在、馬場恵峰先生が、92歳でありながら全力で生きておられる姿に感動する。これは佛様のご加護以外にないと思う。

 この巻物の書の中で、恵峰先生の歴史と生きざまが記述されていている。私は多くの示唆を得た。特に人は時と場と親を選ばず生まれるが、必ず多くの因縁で必然のような人生となっている。それを受け入れ最善の努力をすると天が助けてくれる。そんな巻物を撮影するご縁を頂いたことの感謝である。

 この巻物の撮影は半年前にすんでいたが、写真の編集する過程で、撮影ミスに気が付き、また同時に多くの雑事の囚われ、再撮影と編集が延び延びになっていた。河村先生の突然の逝去に接し、人生の歳月のスピードの速さに目覚め、大慌てで本書の編集を急ぎ、出版にこぎつけた。河村先生が背中を押してくれたと思う。感謝です。

 

 

2019-02-08    久志能幾研究所 小田泰仙

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