日の丸弁当と水まんじゅうの格差
西濃運輸創業者の田口利八氏(1907年~1982年)は、褌に半纏の姿で大八車を曳いて運送業を始めた。食事は、大きなアルミ弁当箱に詰めたご飯に梅干しが一個の日の丸弁当だけである。朝の5時から夜10時まで働き、貯めた金で中古のトラックを月賦で買い、西濃運輸の前身である田口自動車を創業した。当時、田口利八さんに仕事を頼んだという木村建設(大垣市)の社長の子孫の方から、私はその話しをよく聞かされた。
当時、鉄道輸送が常識であった時代、長距離トラック輸送に眼を付けた先見性が、我が国の長距離トラック輸送のパイオニアとして経済史に輝いている。そして田口氏は路線距離数日本一を誇る西濃運輸に成長させた。
その田口利八氏が寄進した石の鳥居が濃尾護国神社の前に立っている。その寄付者田口氏の名の銘板と「水饅頭食べさせ合い挑戦」の準備状況を対比して、大垣市民として情けなさと怒りが沸き起こった。これだけの労苦を大垣の未来に投資すれば、と歯ぎしりをしたい思いである。田口利八氏が草葉の陰で泣いている。
田口利八氏の人徳遺産と小川敏氏の恥記憶遺産
濃尾護国神社の鳥居は後世に残り、大垣市民にお国の為に命を捧げた英霊を敬う誇りを感じさせてくれている。それに対して「水饅頭食べさせ合い ギネス世界記録」は後世に大垣の恥遺産を晒している。その記録はすぐ破られ、何も残らないだろう。こんなアホな記録に挑戦する団体は、もう出てこないだろう。
大桑尋常小高等科卒の田口利八氏が知恵と努力と汗・涙で築いた人徳遺産と、東大卒の小川敏大垣市長の恥記憶遺産を比較すると、記憶力と功名心だけが光る市長の下劣さだけが目に付く。何の苦労も知恵もない無価値のギネス記録に市民税を投じる小川敏氏に大垣市政を任せれば、大垣の未来はない。このままでは大垣は衰退する。
濃飛護国神社 鳥居は田口利八氏の寄進
田口利八語録
たたかれ踏まれようと、強く人生の花を咲かそう
「将来をしっかりと見つめ、確たる見通しがあれば、敢然として困難な道を選ぶことだ。その方が安易な道を選ぶよりも、ずっと実りが大きい。たたかれても、踏みつけられても、それに耐え抜き、克服してこそ美しい人生の花が咲く」
「創業から今日まで、苦しいことの連続だった。それを克服することができたのも、あえて困難な道を選んだのも、春を告げる花・福寿草(ふくじゅそう)が教えてくれたものだ。踏まれれば踏まれるほど、たくましく育つ福寿草。私はこの野に咲く福寿草が、好きでたまらない」
呆れたリハーサルとその準備
2018年6月2日、散歩の途中で大垣公園を通ったら、翌日の「水饅頭食べさせ合い ギネス世界記録挑戦」の会場準備の場面に遭遇した。大垣公園中に椅子3250脚を整然と並べて壮観である。その作業費用・作業労力を想像して暗澹たる気持ちになった。それで700万円の血税が使われている。
笑ったのは、舞台の上でリハーサルが行われており、「只今からギネス認定の賞状授与式を行います。大垣市長、前にどうぞ」とアナウンスがあった。事前に参加者はネット登録され、人数も確認され、大垣市の行政からの強制参加命令、会社関係者への上司命令の参加であるので、記録達成は当たり前の結果であった。そのリハーサルだから、緊張感もなく、お笑いなのだ。やる方が真剣であるほど、滑稽である。宮仕えは辛い?
“challenge”チャレンジの英英辞典表現
英英辞典は、言葉の定義が明確にされているが、日本語の国語辞典で調べると堂々巡りのような表現に遭遇することが多い。英英辞典では、遥かに意味が明瞭になる。英英辞典では、言葉の定義をクラスとカテゴリーで表現されている。私のテクニカルライティングと英語の師匠の後藤先生から、英英辞典の使い方の秘伝を教わった。”especially”の後に表現された内容が重要である。
“challenge”:something difficult
Something that tests strength , skill, or ability, especially in a way that is interesting :(Lonngman exams 英英辞典)
それから見ると、「チャレンジ」は、「強さの試験」で困難、技量、特に興味深いことを問うとある。15秒以内で水饅頭を食べさせるのは、超容易である。数を集めるのは、行政命令、上司命令で行えば、至極簡単である。タダで水饅頭を食べれられると宣伝すれば、乞食根性の人間が簡単に集まる。水饅頭を食べさえ合う数を競うのが”interesting”とは、とても思えない。大垣市政は狂っている。それをチャレンジと「大きく書く」から、大垣市のお役人のオツムのレベルの低さが世界中に広まり、笑われるのだ。子供にも、間違った言葉遣いを教えることになる。だからギネス社のカモになるのだ。若い女性ギネス認定人に、大垣市長が鼻で笑わられ、小ばかにされるのだ。そして血税の120万円を掠め取られるのだ。言葉の使い方を見れば、その人の人格、能力、レベルが分かる。その頭のレベルで行政をすれば、大垣市が衰退するのも故あること。
壮観というか、アホらしいというか、言語道断。税金の無駄遣い
2018-06-08
久志能幾研究所 小田泰仙
著作権の関係で無断引用、無断転載を禁止します。