病気になると、特に難病のがんになると藁をもすがる気持ちで、流行の民間療法に手を出し勝ちである。私は理系の人間なのに人間の弱さから、つい科学的根拠から目を逸らしてそれに手を出してしまう。長寿を達成するには、そういう間違った健康管理を避けねばならぬ。
今の私のがんに対する見解は、「がんは生活習慣病で、その原因となった狂った生活習慣・狂った食生活を正さないと、がんは再発する」である。だから「がんを抑制する魔法の薬」、「飲めばがんが消える食材」などはない、である。当たり前の生活、狂っていない生活習慣・正しい食生活を送ることで、がんにならずに長寿が確保される。
どんな薬でも、臨床試験で科学的に確認されたものを服用すべきである。科学は統計学なのだ。
父のがん
20年程前の2000年頃、父が癌になり、入院して手術をした。その時、私もその種の民間療法に手を出した。それはアガリスクの溶液であった。自己啓発セミナーで縁のあった知人が紹介してくれ、それを購入して父に飲ませた。一瓶一万円である。父にはがんを告知していなかったので、それを飲ませるのには大変気を使い、結局、充分に飲ませられなかった。それもご縁である。
今にして思うことは、そんな少量の溶液だけでガンが治るわけがない、である。がんは生活習慣病なのだ。がんの組織は全身を回っている。そんな小さな盃の液体量でガンが消えるわけがない。藁をもすがる人間には、それが見えなくなっていた。それでは108歳の達成は難しい。
丸山ワクチンもその臨床データでは、有効性を実証できなかったようだ。
私のがん
2019年に私のがんが見つかり、愛知県がんセンターで手術をした。その後、がんの標準治療コースとして抗がん剤治療を勧められたが、私はそれを拒否して、別の治療方法を探した。
そこで横浜のビタミンC療法の医院を見つけ、そこで勧めれたギリシャ企業の最新血液検査をしてもらった。その血液検査費用40万円である。その結果で、がん再発のリスクを調べた。その分析に基づいて、最適なガン再発防止の薬を処方してもらった。それはアガリスクから派生した錠剤であった。しかしそれを飲むと体調が悪くなり、調べたら肝機能が低下していた。かかりつけの医師から、その薬を飲むことを禁止され、その後、肝機能は回復した。
そのギリシャの企業はベンチャー企業で、科学的な裏付けデータの集積が不足していたようだ。それが効く患者もいたかもしれないが、私には合わなかった。薬とは毒物でもある。薬は患部には効くが、正常な細胞も攻撃するのだ。
それを知っていたから、愛知県がんセンターでの抗がん剤治療を拒否した。高齢の私には正しい選択だったと思う。
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2022-10-21 久志能幾研究所通信 2521 小田泰仙
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