この世は一寸先が闇である。分からないものを分かろうとしても無駄である。此の世で、どの分野のことでも必勝法など存在しない。ましてや、人生の必勝法など存在しない。
だから「コレ内緒の話しアルネ、貴方だけ、絶対儲かる必勝法」と売り付けてくる輩を信用してはいけない。「これに入会すれば、貴方だけ教祖様が救ってくれる」などの手口も同様である。
他から見ればバカと思われる話でも、それを信じて数十万人の信者が教団にカネを貢ぎ、数百億円規模の教団本殿があちこちで建造されている。それが今の新興宗教の世界で起きている現実である。どの教団を見ても、荘厳な巨額の本殿ばかりである。日本の人口は1.26億人なのに、宗教の信者数は1.82億人も存在する。その業界の主要10社 宗教法人の市場規模は、7兆円とも言われる。 日本では、宗教は第6次産業である。
新興宗教団体への勧誘騒動
10年程前、私もその種の新興宗教団体に勧誘されたことがある。私が真面目な経営研究会で知り合った人からの勧誘である。その人は、ある会社の社長で、その会の元会長であった。彼の前歴と彼の話とその人柄を信じて、それなら試しに入ってみるか、ダメならすぐ退会すれば、という気になった。
「貴方は選ばれたのです。選ばれた人だけが、幸せになれるのです」が殺し文句であった。要は、この世とあの世での必勝法である。
入会金は38万円。3日間の秘儀の入会儀式があるとのこと。私は入会前に、ネットでそのインチキぶりと危険性を知って、即座に入会を拒否した。
その教団は、高度なIT技術もあり、教団に都合の悪いネット情報を改ざんする部隊まで配備されていた。だからWikipediaの情報も書き換えられていた。
その教団本部の建設費を信徒数で割ると、一人当たり1千万円のお布施が集められていた。その集め方もまともではなかった。
そして退会しようとしても、地域の信徒が大勢押しかけてきて「退会すれば無間地獄に落ちるぞ」と家の回りで大騒ぎをするそうだ。やってくる信徒たちもその脅迫行動を一緒に取らないと、同じ目に逢わされるので必死である。
その教団は、教団本部の建設用地確保のため、建設予定地の村の村長を襲撃させたという噂もあるような危ない教団であった。
この必勝法は、売る方の論理で、買い手の論理ではないのだ。そんなうまい話が、この世にあるわけがない。
人生の必勝法
人として正しい生き方をして、日々を精進して生きる。日々起こる現実に、冷静に向きあい、経験を生かして対処する。それしか、人生を勝利に導けない。自分を守って下さる仏様は、自分の心の中に居られる。
宗教とは
「宗教」とは、「ウ冠」が自分の家、「示」が神事の意味で、「自分の家の教え(家訓)」という意味である。だから自分こそが、親の教えを守る教祖である。他の宗教に頼る必要はない。
私はおだ仏教の教祖である。信徒は私一人だけで十分である。おだ仏教の本殿は、私の身体である。自分の体を大事に祭っている。だから自分の体の5S(整理整頓清潔清掃)を欠かさない。それが人生の修行である。自分の体を大事にせず、幸せにはなれない。生かされている自分を無心に最大限に活かして生きる。まずそこから生きることは始る。
つい最近、自分の体の保守管理をさぼったので、がんになってしまった。佛さまは良く見ておられる。因果応報である。仏様の同業者?の「天」様も言っている。「天網恢恢疎にして漏らさず」である。
自分を信じて、自分の道を正しく歩む。それが人生の必勝法だ。
馬場恵峰書
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2022-06-25 久志能幾研究所通信 2416号 小田泰仙
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