よく眠るための環境作りこそ、家作りの最大の目的である。
よく働いた一日は良き眠りを誘う。同じように良く生きた人生は、やすらかな死を賜る。(ゲーテ)
私は毎日、永眠する練習のために床に入る。幸いなことに、この70年間、翌朝目が覚めている。翌朝、まだ生きていれば、この世でやるべきことが残っているとの神仏の啓示である。目が覚めたら、働くために喜んで起床する。
しかし一生の内、一回だけ目が覚めない時が来る。それが死である。それまでは、永眠のための練習である。
寝室を真っ暗にして眠る
死んでから、あの世に行くまでの間は、真っ暗である。その長い暗いトンネルを抜けると、雪国(逝国)に出たように明るい未来が到来する。此の世の行いが悪いと、もっと暗い地獄が待っているかもしれない。
良質な睡眠のために照明を全て消して眠る。目の網膜が光を感知しなくなると、睡眠を促すメラトニンというホルモンが出る。
しかし、小さな常夜灯を点けておくと、網膜はかすかな光にも反応してしまうため、メラトニンが分泌されず、睡眠の質が落ちる。
そのメラトニンの分泌を妨げるのが、就寝前の液晶の光である。就寝前のパソコン、スマホは禁止である。寝室にはスマホは置かないこと。
エアコンのパイロットランプも、真っ暗な寝室では、異常に明るく光るので、対策が必要だ。私はガムテープでランプを覆っている。
ホテルでも、明るい時計が設備してある場合があるが、その時はその時計をカバーで覆ってから寝ている。
時計のLEDの光も真っ暗中では、明るすぎるので、寝るときはカバーで覆って光が漏れないようにしている。寝室では、光を出さない液晶表示の時計を使っている。
睡眠の途中で目が覚め、時間を見るため電灯をつけては、覚醒してしまうので、ボタンを押せば、音声で時刻を知らせる時計にしている。これは便利である。現在、二世代目の音声時計である。
自宅の2階の部屋を寝室専用に変えたので、窓は完全閉鎖とした。以前は二重の厚いカーテンで遮光していたが、それでも朝日の光がカーテンを通して部屋を明るくしてしまう。夏の朝は、時間まで寝ていたいのに、嫌でもその光で4時ごろに目が覚めてしまう。それでは睡眠不足に陥る。そのために、窓に特注のベニヤ板を取り付けて、完全遮光の状態にした。
イタリアの5つ星ホテルでは、窓は開閉式の木の扉付の窓になっていた。
電動ベッド、羽毛布団の導入
私が癌を患い、愛知がんセンターに入院し、電動ベッドの良さを体験して、退院後、すぐ電動ベッドと羽毛布団を購入した。費用は100万円ほどかかったが、余命宣告された身では、そんな金のことは言っていられない。導入して正解であった。気持ちよく熟睡できる。あの世も此の世も、安眠は金次第?
電気椅子で死刑になるより、電気ベッド上で死んだ方がましである。
21時になったら食べない
良質の睡眠を取るため、21時のシンデレラボーイになる。時間が来たら、食べ物とはさようなら、である。飲食は翌朝まで我慢。寝るときに食べた物が胃の中の残っていると、熟睡を妨げる。また胃の中の食べ物がインシュリンの働きで炭水化物もタンパク質も全て脂肪に変わってしまう。肥満の元である。肥満体では良質な睡眠は得られない。だから肥満体の人は短命である。
(お相撲さんは太るため朝の猛稽古の後、沢山食べて、太るために寝ます)
疲れていても、我慢して、いつもの就寝時間まで起きていることが必要だ。
疲れたら、運動を兼ねて、散歩に出かけること。アドレナリンが分泌されて、疲れが取れる。
どうしても食べたいなら、果物にする。果物は30分で腸に達する。
仕事の関係で、どうしても遅く夕食を食べる時は、量を減らして軽くする。
成長ホルモン、良質な睡眠の環境整備
良質な睡眠がダイエットと安らかな死の基本である。
成長ホルモンは、子供の背を伸ばすだけではない。成人の体では、日中動いて傷んだ筋肉の修復を促している。また、成長ホルモンは、脂肪の分解やたんばく質の合成を促し、炭水化物、骨、水分や電解質などさまざまな代謝を調節し、体のバランスを一定に保つ役割を果たしている。成長ホルモンは脂肪の分解を促すので、これが不足すると太ることになり、また老化を加速させる。老化が睡眠の質を低下させる。
成長ホルモンは夜、入眠した30分後くらいから始まる深い眠りに入ってから約2時間の間に分泌される。だから、成長ホルモンを分泌させるには、質の良い眠りを得ることが必要である。
加齢とともに成長ホルモンは減るので、意識して分泌を良くする対応が必要です。「寝る子が育つ(縦に成長)」のは思春期の若者だけのこと。成人は食べて寝ると太る(横と前に拡張)。
「寝る子が良い死を賜る」。熟睡できる体力があれば、よく働き、良い死を賜る。寝るにも体力が必要だ。体力がないと、良質な睡眠は得られない。老いると寝たくても熟睡できなくなる。それが老いを感じる時だ。
成長ホルモンの分泌を良くするためは、体をよく動かす、食事面では夕食時に良質な蛋白質を摂取し、炭水化物は、活動する朝と昼で取り、夜は少なめにする。
出典:鈴木 博夫(薬学博士)(㈱クラウディアのHPより)
体温を上げる
良質な睡眠のためには体温を上げるのが有効なため、寝る前の入浴が効果的である。
体温を上げるのに、寝る15分前に腹筋や腕立て伏せの軽い運動も効果的だ。基本は昼間によく体を動かすことだ。
仕事で座りぱなしは、煙草を吸うと同じくらい体に悪い。それで私の仕事部屋には立ち机を導入した。
体を動かす
眠られないのは、体が疲れていなからだ。眠られない時は、軽い疲れとカロリーを消化するためにも、腹筋等の軽い運動を少しする。
体温管理は、良く死ぬための準備に欠かせない。私はこの10年間、毎朝、体温を測り、記録している。同時に体重、体脂肪率、前日に歩いた歩数を記録して、視える化している。
睡眠薬は禁止
眠られないなら、睡眠薬を飲むより、起きて働けばよい。そのうち眠たくなり、嫌でも寝てしまう。要は、その一日、体を動かしておらず、疲れていないので、寝られないだけである。仏様が、もっと体を使えと言っている。体内に宿る仏様の声を聞こう。
父は長年、睡眠薬を飲んでいた。それも病気になった遠因と思う。睡眠薬は絶対に飲んではならない。薬は基本的に毒である。
2021-10-24 久志能幾研究所通信 2189 小田泰仙
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