語感で洗脳 「ご苦労様」は上から視線?

 

 言葉は言霊といって、人の魂が籠っている。言葉が人を元気し、言葉が元気をなくさせる。ヒトラーは演説で同じ言葉を何回も使い、ドイツ国民を洗脳した。だから使い方次第で、言葉は凶器にもなる。ご注意を。

 

「潜友」

 その言葉を一番多く浴びるのは、自分自身である。だから後向きの言葉は、決して使ってはならない。後ろ向きの言葉を常用する友は、「潜友」だ。「後友」だ。付き合うと人生を潜水させてしまう。後ろ向きの言葉で後ろ髪を引かれ、チャンスを逃す。

 できなくても、できると言って、自分の脳を洗脳しよう。

 

洗脳

 仕事をしてもらった相手に「ご苦労様」は、上司が部下に言うように感じる。上から視線を感じる。

 また「ご苦労様」では、簡単な仕事でも、「俺は苦労をした」と洗脳されてしまう。「そんなレベルの仕事は苦労にも入らない」と自己暗示をすべきなのだ。そうすれば能力が向上する。

 

 「お疲れ様」と言うと、それは相手への洗脳教育のように見える。「貴方は疲れている 貴方は疲れている」と暗示をかけているように感じる。俺は元気だ、それを「貴方は疲れている」と決めつけるように言われるのは不愉快と感じる人もいる。

 

 「お元気様です」は少し構えた表現で、少し違和感がある。

 この場合「ありがとうございます」が一番無難のようだ。

 

冒頭の挨拶

 手紙やメールの冒頭で、「いつもお世話になっております」とは、私は滅多に書かない。末尾に「よろしくお願いします。」とも書かない。それは無意味な言葉で、時間の無駄だからだ。

 それを書いてくる手紙やメールを見ると、「俺はあんたの世話などしていない。それは嫌味かよ!」と勘ぐってしまう。で、要件は何だ?と言いたくなる。

 一行の文を読むのにも、命の時間を使っている。だから私の手紙は単刀直入に要件を冒頭に書く。私は、手紙に伝えたい要件だけを、簡潔に無駄なく全精力をかけて書く。そのための推敲に時間をかける。相手に時間を使わせないことが、最大の誠意である。それがご縁のあった相手への感謝の伝達である。

 感謝の念こそ、運命の扉を開く鍵である。運命の女神はしずしずと現れる。感謝の念がないと、通り過ぎていく女神の心を射ることはできぬ。感動したことに「感謝」とは、「感」じたことを「言」葉で「射」るのだ。

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         馬場恵峰書

戦争と平和

 毛筆の礼状では話が別である。それは和の道である。和の道では、心を伝えるのでも道草をすればよい。それが情緒である。私はビジネス戦争では、電子メール銃を撃ちまくる。私はそれから転戦して、別世界の芸術界では、パソコン機関銃を毛筆銃に持ち代えて、毛筆の手紙で相手の心を撃つ。

 

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心筆

 私はこの10年間、馬場恵峰先生への手紙をすべて毛筆で書いた。緊張して心を込めて手紙を書いた。ワープロで文面を作り、それから清書である。なにせ相手は書道の先生である。先生曰く「書は、下手でも丁寧に心を込めて書けば、誠意が伝わる」。

 しかし敵は私より上手で、恵峰先生の巻物の毛筆礼状と三根子奥様の毎回違うカラフルな和紙の毛筆手紙が交互にやってくる。返信にも恵峰先生ご夫婦の役割分担があるようで、毛筆の銃撃戦では当方の完敗である。

 その文面に「いつもお世話になっております」等の軽薄な言葉はない。文面に相手を思う心が溢れている。美辞麗句を並べなくても、毛筆で書いてあるだけで、私の心を撃ちぬく。

 恵峰先生の巻物の礼状は我家のお宝である。

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 馬場恵峰先生からのお見舞いの巻物手紙  

 

2021-05-06  久志能幾研究所通信 2011 小田泰仙

著作権の関係で、無断引用を禁止します。

 

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