人喰い人種の饗宴 = 面会とは命(時間)を喰う饗宴

 

 吉田茂は長生きの秘訣を「人を喰うことだ」と答えたのは有名な話だ。人と面会するとは、その人の持ち時間(一生で使える時間=命)を自分のために消費させる饗宴だ。人食いの饗宴である。夢ゆめ、手ぶらで行くべからず。土産を持って行け。その人が消費した時間(命)が、その時間に見合う価値ある土産を与えよ。そうしないと、時間泥棒(殺時ン)になってしまう。

 

人との面会とは真剣勝負

 その人の面会は、今生の最初で最後の出会いと思え。お互い、明日は分からない。その対応が悪ければ、二度と会ってはもらえないかもしれない。相手だって生きるのに忙しいのだ。

 特に高齢の師ならなおさらのこと。私は良き時に多くの時間を馬場恵峰先生と真剣に共有できて、幸せだったと思う。そうでなければ悔いが残った。馬場恵峰先生に再度会いたくても、もうそれは叶わない。

 

土産

 土産とは、その人に価値ある情報であれ。土産とはお菓子ではない。スィーツは人の命を削る。糖分は病気の元である。

 くだらない話題で時間を無駄にしてはならない。話を雑にするから、雑談になる。その雑談が、後日、お互いの付加価値(金)にならなければ、無駄な会話である。

 

気配り

 最大の気配りとは、相手に対して全力で向き合うことだ。真の信頼関係はここでこそ生まれる。(田中角栄)

 相手と話している時に、携帯電話に応答するのは言語道断である。それだから人生で失敗する。その行動が己の人生の全てを象徴している。それこそが相手への最大の侮辱である。それは自分の人生を侮辱している。今、目の前の人物こそ人生最優先の人物なのだ。

 

話題提供

 相手が興味を抱かない話題を提供してはならない。自分の趣味が万人に受けるわけがない。その人にはお宝であっても、多くの人は釣りも石も株もユーチューブ等も興味がない。それに興味を示さない相手に見せつけるのは、宴会で嫌いな食品ばかり押し付けるようなもの。会社の接待宴会での幹事の心得と思え。ヤクザの襲名披露宴会ではないのだから、対等にお互いが成長できる話題を土産として持って行くべし。

 

2021-04-03   久志能幾研究所通信 1970 小田泰仙

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