懇意にしている知人に、「奥さんへどうぞ」と長崎に出かけた時には、いつお手土産を買ってきて贈っている。そこで三人の老婆の反応に人生を見た。その結論は、食欲が人生を支配する、である。特に女性の老婆は、その傾向が顕著である。
この30年で女性の乳がんの発生率が4倍になっている。他の癌も同様である。スィーツや乳製品の消費量増加と関係あるようだ。世の中は、スィーツや食べてはいけない食品のテレビCM、グルメ番組が氾濫している。政府さえもが、添加剤、防腐剤の認可問題、そのテレビ局の認可問題でやりたい放題である。要は役人の質が落ちて利権にまみれているのだ。これでは日本人の健康は守れない。この40年間で医療費が4倍になった。そんな状況で、自分を自分で守らないと、殺される。
A婆は、まだ現役で働いている。お産で入院した以外、病院に行ったことないという健康優良児(健康優良婆?)である。食生活も薄味の和食中心の健康そのものである。
B婆は、病気のデパートのような方である。胃癌で胃を全摘した身である。ご主人がヒステリー気味の奥さんに手を焼いている。
C婆は、知人の高齢の母である。
お土産を貰っての反応
A婆は、贈ったお菓子(博多でグランプリを取った有名銘菓)を美味しかったと、「小田さんはまだ食べていないでしょう」とその一つをおすそ分けで呉れた。確かに、私はまだその菓子を食べたことがなかった。さすがグランプリを取ったお菓子だけあって美味しかった。
B婆は、その菓子を贈った直後に、たまたまその家に用事があり、訪問した折、奥さんが「このお菓子は絶品だった」とそのまだ食べ残っている菓子箱を抱えて、食い意地の張った顔で私に言った。
その時、私に紅茶を入れてくれたが、その菓子は茶菓子として出してくれなかった。私なら、当然として茶菓子として出すのに。もう二度と贈るまいと決めた。
C婆は、「こんな菓子を食わせて、私を糖尿病にするつもりか」とその知人に文句をたらたら。しかし、枕もとに置いて置いたそのお菓子は、翌日にはいつも消えている。
食欲の人格(? 食欲にも人格があると確信した)が、人徳と健康を司ることが分かって、知人にお土産を買ってきて「ご縁に投資」した甲斐があった。しかし今後、B婆、C婆へのお土産は減らそうと思う。
そのお土産の選定でも、変な添加物、防腐剤の入っていない製品を選んで購入している。クリーム類、植物油の入った洋菓子は決して買わない。人のために買うとは、自分のために買うのだ。モノを買う、自分を買っているのだ。人生、全て学びである。
馬場恵峰書
2021-03-12 久志能幾研究所通信 1947 小田泰仙
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