伊勢神宮に参拝できる幸せ

 2月に癌の手術を受けた後、今日までガンの転移もなく、無事に生かされていることに感謝するため、2019年10月31日、伊勢神宮に参拝した。以前から行こうと思っていたが、今まで伊勢神宮参道の1キロを歩く自信がなかったので、体力回復の時期を待っていた。

 

人生のわき道を歩く

 伊勢神宮の宇治橋を渡った後の鳥居を通り、人生の大通りに相当する伊勢神宮参道の大通りに入ると、すぐ横に右に入る道がある。そこを右に曲がって、静かなわき道に入り、伊勢神宮の神苑を歩いた。正宮までの歩く距離はほとんど同じである。私はこの道をいつも選んで歩いている。静かで、神聖な気持ちで歩けるのだ。この神苑内の道から、並行する大通りを多くの人が歩いている姿を見ながら歩ける。何も混雑した道を選ぶことはない。庭園の庭木を鑑賞しながら歩ける。

 2018年に馬場恵峰先生ご夫妻を伊勢神宮に案内した時も、この道を選んで歩いた。想い出の道である。

P1070224s   宇治橋を渡って右折した大通り 

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  そこを右の脇道に入るとそこが神苑

P1070227s  神苑内の道の静けさ 

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  神苑内の道から元の大通りに戻る

体力の衰えを実感

 従来、宇治橋を渡って、約15分で内宮の正宮に到着するのだが、今回は体力がないため人並みの速度では歩けず、25分もかかって正宮に到着した。参道を歩く大勢の人が、私を追い抜いていった。それも人生である。人生は自分のペースで歩けばよいのだ。他人に左右されることは、愚かである。

 

特別参拝

 正宮では、垂れ幕の向こう側の砂利の境内に入り特別参拝をした。特別参拝は、「特別参宮章」を見せれば、誰でも出来る。伊勢神宮に式年遷宮のために寄進をすれば、「特別参宮章」が発行される。私は毎年、1万円を寄進して、「特別参宮章」を頂いている。寄進額が1万円でも10万円でも、特典は同じである。その有効期限は2年間である。特別参拝には、スーツ、ネクタイ着用の正装が必用である。

 例年だと、別の人と2,3人と一緒に境内に案内をされ参拝するが、今年は前後に待ち人がいなくて、私一人で神官に案内をされて、境内で一人だけで参拝をさせて頂いた。ありがたいこと。

 

お伊勢参りは、社会の実相を表す

 伊勢神宮の境内では、旗を持ったツアコンに案内されて、行列で歩く集団がいる。男女がペアで歩く人もいる。外人が物見遊山で来る人もいる。学校から集団で来ている学生もいる。新人研修か何かで、若い社員が集団で来ているものいる。一人でお参りしている人もいる。

 ここでは自分という人間は、社会でどういう位置付けなのかが客観的に見える。体力低下で、今回はお参りの集団についていけず、後からとぼとぼと歩いて参拝者たちを観察する機会を得て、感じたことである。とぼとぼと歩く己の姿は、これからの生き方に示唆を与えてくれた。皆と競争して早く歩く必要はない。到着する場所は同じなのだ。神さまが後から来ても、特別扱いをしてくれる。自分を信じて、遅くてもいいから、自分の足で歩むことである。

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 正宮の前の参道  いろんな人が参拝に訪れる

赤福

 参拝が終わって、いつものようにおかげ横丁の赤福に寄った。いつも食べるぜんざいを注文したかったが、ぜんざいは11月1日からとのことで、食べそこなった。ぜんざいが冬だけの商品であることを初めて知った。それで赤福2個を食べた。お伊勢さんの赤福をおかげ横丁で食べられる幸せを感じた。

 

2019-11-03 久志能幾研究所通信 No.1388  小田泰仙

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